この一冊は私にとって指揮者の勉強をするきっかけとなった本である。
私を知る人は「あれ?あなたって音楽なんてやってました?」
と思うであろうが、そりゃそうだ。
私は音楽は聴くのは好きだが楽器類は授業以外ではやったことがない。
ではなぜ、このジャンルに興味を持ったか?
そのいきさつを説明する。
大学院を出て東海大学体育学部の非常勤助手をしていた時のこと
その頃、競技スポーツの監督・コーチたちが集まって早朝ミーティングなるものをしていた。
要は、「東海大学が勝つためにどうすればいいか?」という、
なかなか極上の勉強会であった。
メンバーは、インカレ制覇を何度もしているようなバスケやバレー、ラグビーに陸上のオリンピックコーチなどなど、皆さん日の丸をつけて活動をしているような人ばかり。
種目の垣根をこえて知恵を出し合おうではないか!
という、かなり画期的なミーティングであった。
なんとそこに私も参加させてもらっていた。
進行は、順番にネタというか議題を持ち寄り、
意見交換をするというスタイルであった。
最初わたしは、
そらもう極上の経験で喜んでいたのだが、
なんと私も順番が回ってくるというシステムであった。
ちなみに私の競技レベルは甲子園も出ていない世代のブルペンキャッチャーである。
カスもいいところである。
「私が、このメンバーに対して何を言うわけ?」
・・・と、強烈なプレッシャーがかかり、どうすりゃいいんだと焦った。
まさか、「コーチとはこうあるべきです」とか、
「プレーヤーズファーストであるべき」など言えるわけがない(笑)
とはいえ、何か
「おっ、こいつやるな」と思わせなければ、
「お前もう来なくていいよ」になるのは目に見えているので、
何かしらの爪痕は残さねばならない。
とういうことで、本屋を巡っていると・・・
最初に歴史モノが目についた
「おっ、そうだ戦国武将になぞらえて指揮官というテーマで言えばいいか」
という案があったのだが、
ちょっと待てよ、おれはそんなに歴史に詳しくないぞ、付け焼刃でいけるか?
あのベテランの監督たしか歴史とか好きだったんじゃないか?となると、
『その程度で語ってんじゃね~ぞ』と返り討ちに合いそうだ・・・
・・・と却下
そこで次をと歩いていると目に入ったのがこの「指揮者の仕事」であった。
ピンと来た。
スポーツの監督も、
オーケストラの指揮者も
選手(演奏者 プレーヤー)にやってもらってナンボの仕事である。
どんなに崇高な理念を持っていてもプレーヤーが動かないと(音を出さないと)
無能のレッテルを貼られてしまうのだからこれは共通点があるのではないか?
ということを思い立った。
さっそく購入
読んでみたら、ま~面白い
言われてみればそうだが、
「オーケストラのプレーヤーはそれぞれ楽器演奏のプロである」
ただ、演奏をすりゃいいなら指揮者なんぞいないほうがよっぽど楽譜どおり弾けるのである。
ただ、安全運転になりやすい。
そこで指揮者が「もっといけ~」などと抑揚をつけることで味のある感動的な演奏になるのだという・・・
だから指揮者しだいで同じ曲も大きく変わるということである。
だから、
「指揮者(監督)がいるほうが演奏者が勇気をもって演奏できる」
にならなきゃいけない。
つまり、スポーツでいえば
『監督がいるほうが選手がハツラツとしてイキイキする』になるべきである。
『監督がいるほうが、選手がビビッて動けなくなるなんてのはむしろ害になっている。そんな監督ならいない方がマシだ!』
・・・と、こんなセリフはもちろん監督だらけの前では言わないが、
「指揮者の世界はそうなんだそうです、ヘボな指揮者は嫌われるそうです」
という風に置き換えるという手を使った(笑)
そりゃ、私が思っているとは言えませんから(笑)
その他にもリハーサルの話など、
スポーツ指導者だけでなく教員としても参考になる要素が満載であった。
実は、私は運動教室を学生に手伝ってもらってやっている。
「よくそれだけ統率できますね」と感心されるが、
指揮者の世界から学んだ要素をかなり使っている。
また紹介するが、
この資料だけでプレゼンしたわけではなく、調子に乗って他にも読んでみた。
ま~面白いです。
また。
これって、元のブログのほうでもいけたな(笑)